
著者 : 大竹昭子 出版社:カタリココ 文庫サイズ 80ページ 並製 発行年月:2020/7/13
大竹昭子が「PAPERSKY」に連載した原稿に改稿を加え再構成。
著者大竹は、自作の間取りから物語をつむいだ『間取りと妄想』の著作で知られるように、空間への関心が高く、室内と室外のちがいを幼少のころから意識してきたと言います。
「室内」とは具体的な空間を指すのみならず、想像や妄想を生み出し、記憶の貯蔵庫を含む存在であり、対する「室外」は体の外にあって自己の内側に絶えず働きかけてくる外界を象徴します。
12の短編は身近なエピソードからはじまりますが、どれも小さな謎が埋め込まれていて、ミステリーのような味わいがあります。また、小説かエッセイかという枠組みを超えて別の時空間へと飛躍する手法は、彼女の代表作『図鑑少年』の延長上にあり、読者を架空の「室内」へと誘うでしょう。